犬の歯が汚い気がする…自宅で犬の歯の汚れをチェック!動物病院に行った方が良いめやすとは?

「歯磨きをしているけど犬の歯がだんだん汚れてきたら、どうしたらいい?」
「歯が汚い気がするけど、これは歯石?」
「どのくらい犬の歯が汚かったら病院で診てもらうべき?」
犬の歯の汚れについて上記のような疑問をもつ飼い主さまも多いでしょう。

今回は犬の歯の汚れ具合の自宅での確認方法や、動物病院で診てもらった方が良いめやすなどについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の歯の汚れが気になるときの参考にしてください。

犬の歯を見るために歯茎をめくっている

犬の歯が汚れて見えるのは主に歯垢や歯石のせいです。
歯垢は、食べかすなどが養分となって繁殖した細菌やその代謝物を指します。
歯石とは、歯に付着した歯垢が石灰化して石のように固くなったものです。

歯垢や歯石による犬の歯の汚れの原因として、以下のようなことがあげられます。

  • 犬の口の性質
  • 歯磨き不足
  • 食事の内容
  • 犬種・口の大きさ
  • 年齢

犬の口の性質

犬の歯は人間と比べて虫歯にはなりにくいですが、歯石がつきやすく汚れてみえやすいです。
これは犬の口の中の性質が原因です。

犬の唾液はアルカリ性で、歯石がつきやすい環境です。
口の中がアルカリ性だと歯垢が石灰化しやすく、歯石になりやすいです。
また、歯周病菌が活動しやすい環境でもあります。

一方で人間の唾液は酸性です。
口の中が酸性だと虫歯菌が活動しやすいです。
虫歯菌が増殖するときに出る酸が歯をとかし、虫歯になります。

上記のように犬は口の中がアルカリ性なので、歯垢が歯石に変化するスピードが人よりもはやいです。
歯垢が歯石になるまで、人では14〜28日かかりますが、犬ではたった3〜5日ほどです。
歯垢は歯磨きで落とすことができますが、歯石になると歯磨きでは落とせません。

歯磨き不足

多くの場合は、歯磨きが適切にできていないことが汚れの原因です。
どのような犬でも、歯磨きが十分でなければ徐々に歯垢が溜まり、時間の経過とともに歯石へと変化していきます。
歯石がつくと歯の表面がざらざらして、さらに歯垢がつきやすくなる、という悪循環につながります。

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食事の内容

ドライフードやウェットフードなど、メインで食べている食事内容によっても歯石のつきやすさは異なります。
ウェットフードを主食としている場合、歯垢がつきやすく、歯石になりやすい傾向があります。
やわらかい食事は歯の表面に残りやすく、細菌のエサになりやすいです。

また、基本的に犬は虫歯になりにくいですが、糖分の多い果物やケーキなどをあげ続けると虫歯になることもあります。
あげすぎには注意し、あげた後はしっかり歯磨きをしましょう。

犬種・口の大きさ

犬種によって、口の大きさが異なることは歯石のつきやすさにも関与しています。
以下のような小型犬は顎が小さく歯が密集しています。

  • トイプードル
  • チワワ
  • ミニチュアダックスフンド

これも歯石がたまりやすい要因のひとつです。
歯と歯の間が狭いほど汚れは蓄積しやすくなります。

年齢

年齢を重ねた犬は歯石がつきやすいです。
シニアに近づくにつれて、唾液の分泌量は減っていきます。
唾液には口の中を洗い流す自浄作用があるため、唾液の分泌量が減ると汚れが残りやすくなります。

柴犬の歯

愛犬の歯の汚れ具合を自宅で確認してみましょう。
歯の汚れ具合には以下のような段階があります。

① 歯垢だけがついている状態

歯垢は透明な粘着性の物質で、見ただけではわかりません。
歯の表面を指で触ってみてぬるっとした感触があれば、歯垢がついているサインです。
この段階なら、歯磨きで取り除くことができます。
歯磨きの頻度などについて詳しくはこちらをご覧ください。

② 軽度の歯石がついている状態

軽度の歯石がついている状態では、歯の表面からツヤが失われ、所々曇った色合いになっていることが確認できます。
歯茎と歯の境目には黄色い歯石が付着していることもあります。
歯の色が白からくすんだ黄色・クリーム色に変わってきたら、すでに歯石に変化している可能性が高いです。

③ 中等度〜重度の歯石がついている状態

歯石がついている犬の歯は黄色みを帯びていたり、ザラザラとしたものが付着していたりします。
以下のような状態であれば中等度以上の汚れです。

  • 根元が茶色〜黒っぽく変色している
  • 歯の形が歯石で盛り上がって見える
  • 触るとごつごつしている

この段階になると歯磨きなどの自宅ケアでは落とせません。

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④ 歯周病が進み重症化している状態

以下のサインが見られたら、歯周病が進んで重症化している可能性があります。
口の周りだけでなく、全身的な症状につながることもあるため、早めに動物病院を受診してください。

  • 歯茎が赤く腫れている
  • 歯茎から出血している
  • 口臭がひどく、生臭い匂いや腐敗臭がある
  • 歯がぐらついている
  • 頬や顎が腫れている
  • 食欲が落ちた、かたいものを食べたがらない

歯周病が重症化すると、犬の口の一部が大きく腫れたり、突然、頬に穴が開いて出血したりするおそれがあります。
ここまで進行してしまうと、治療にも時間がかかります。
歯磨きをしないと起こることについて詳しくはこちらをご覧ください。

歯ブラシをくわえるダックスフンド

次はどのような対処が必要かについて解説していきます。
歯周病の段階によってできることは異なります。

歯垢だけがついている状態

歯垢だけがついている状態であれば今すぐ歯磨きを始めましょう。
この段階なら自宅ケアで十分対応できます。
ただし歯垢が歯石になる前に歯磨きで落とすことが大切です。
犬では3〜5日で歯垢から歯石になるため、できれば毎日、最低でも週2〜3回のブラッシングを目標にしましょう。

自宅でのデンタルケアに不安がある場合は動物病院で相談してみることもおすすめです。
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すでに歯石がついている状態

歯石の付着が軽度であれば、まずはそれ以上歯石がつかないように自宅で歯磨きをしましょう。
中等度〜重度の歯石がついている状態であれば、まず動物病院で歯石除去すなわちスケーリングを受けることがベストです。
歯石を取り除いた後から、日常の歯磨きを始めるのが正しい順番です。

歯周病が重症化している状態

歯周病が進行して重症化している場合、早めに動物病院を受診しましょう。
歯周病の治療なしに歯磨きを始めると、痛みで嫌がりさらに歯磨きが嫌いになってしまうことがあります。
まず治療を受けた上で、再発予防として日常ケアを行うことが大切です。

犬の歯が茶色く汚れている気がする。これは歯石?

犬の歯に茶色みがあり、表面がザラザラしていたり盛り上がっていたりすれば歯石の可能性が高いです。
ただし、凹凸がなく色がついているだけであれば色素沈着の可能性もあります。
判断に迷う場合は動物病院で確認してもらうのが確実です。

犬にウェットフードをあげていると歯が汚れやすい?

はい、傾向としてはそう言えます。
ウェットフードはやわらかく歯の表面に残りやすいため、歯垢がつきやすくなります。
ドライフードと組み合わせたり、食後にしっかりと歯磨きをしたりすることで対策できます。

犬の歯石は歯磨きでとれる?

基本的に取れません。
歯石は石灰化して歯に固着しているため、歯磨きでは除去できません。
動物病院での麻酔下スケーリングが必要です。

犬の歯が汚れているだけだと動物病院に行くか悩みますよね。
しかし、犬の歯周病を放置して重症化すると全身への悪影響につながります。
歯周病は自宅でのデンタルケアで予防できる病気です。
愛犬の口の中は健康か、定期的に確認してみましょう。
歯周病が進んでいるようであれば動物病院でみてもらうことがおすすめです。
歯石のつき具合や歯周病の進行度によって、動物病院に行った方が良いかは異なります。
当院ではデンタルセミナーも行なっていますので、愛犬のデンタルケアについて困り事がある方はお気軽にご参加ください。

大阪市城東区鶴見区の動物病院
城東鶴見どうぶつ病院
森ノ宮みどり動物病院

この記事の監修獣医師
  院長 脇谷俊佑

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
大阪市内動物病院 勤務
城東鶴見どうぶつ病院 開院
近畿動物医療研修センター 画像科研究生
獣医教育・先端技術研究所(IVEAT)腹部超音波検査研修 修了
日本獣医がん学会 所属