犬の口が臭いのは病気?原因は歯周病だけじゃない!犬の口臭から考えられる病気とは

「最近、犬に顔を近づけたときの口のにおいが気になる」
「犬の口がいつもと違うにおいがするけど病気?」
「犬の口が臭いのを年のせいかと思って放っておいたけど、動物病院に行った方がいい?」
犬の口が臭いと上記のように気になる飼い主さんは多いのではないでしょうか。

この記事では、犬の口が臭いときに考えられる原因について詳しく解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の口が臭いときの参考にしてください。

犬の口臭に気づいたら、まずどんなにおいかを確認しましょう。
においの種類が原因を絞り込むヒントになります。
口のにおいの種類と、そこから疑われる主な原因は以下のとおりです。

①腐敗臭・生ゴミのようなにおい歯周病、口腔内腫瘍
②アンモニア臭・おしっこのようなにおい腎臓病、肝臓病
③甘酸っぱいにおい・フルーティーなにおい糖尿病
④酸っぱいにおい胃炎、逆流性食道炎
⑤便・下水のようなにおい腸閉塞、便秘、食糞
⑥魚のような生臭いにおい口の乾燥
口を大きく開ける柴犬

腐った肉や生ゴミのような腐敗臭がする場合、歯周病が最も疑われます。

犬の口臭の原因として圧倒的に多いのが歯周病です。
犬での歯周病は、3歳以上の約80%が歯周病といわれているほど発症率が高いです。

歯周病は、歯と歯茎の間に細菌が付着した歯垢・歯石が入り込み、炎症を引き起こすことで進行します。
歯周病が進行すると、歯周ポケット内で細菌が繁殖し、口臭につながります。
歯周病による口臭は、においが徐々に強くなっていくのが特徴です。

また、犬ではわずか3〜5日ほどで歯垢が歯石に変わります。
歯垢は歯磨きで取れますが、歯石になると歯磨きでは取れないため、デンタルケアを怠ると短期間で悪化します。

なお、口の中にできた腫瘍などが腐敗臭の原因になることがあります。
とくに悪性腫瘍だった場合、歯茎だけでなく歯のまわりの骨組織まで壊してしまい、強い腐敗臭につながることがあります。
この場合は早期の対応が病気の進行を抑えるために大切です。
早めに動物病院に相談しましょう。

アンモニア臭やおしっこのようなにおいがするという場合は、腎臓や肝臓の病気が疑われます。
この場合、早めの受診が必要です。

腎臓や肝臓は体内の老廃物を代謝して排泄するという機能があります。
これらの機能が低下すると、本来排泄されるはずの老廃物が毒素として体内に残り、口臭の原因となります。
この場合、歯周病と違って比較的短期間で急に口臭が出てくることが多い点も要注意です。

腎臓病や肝臓病は進行するまで外見からわかりにくい病気です。
犬の口臭が病気の早期発見につながることがあるため、気になったときは早めに動物病院に相談しましょう。

口を大きく開けているチワワ

犬の口臭が甘い感じのにおいがするという場合は、糖尿病が疑われます。
糖尿病になると、口から甘酸っぱいニオイがするケースがあります。
これは体内で脂肪酸が分解されるときに出るケトン体という物質が増加し、それが息に混ざることで起きる現象です。
アセトン臭とも呼ばれます。

糖尿病は口臭以外にも以下のようなサインが伴うことが多いです。

  • 水をよく飲む
  • 尿の量が増える
  • 食欲はあるのに体重が落ちる

このような症状も原因を絞り込む大切なヒントとなります。
口臭以外にも気になる症状がある場合は、あわせて動物病院に伝えましょう。

酸っぱいにおいが食後にとくに気になるという場合は、消化器系のトラブルが疑われます。
ツンとした酸味のあるにおいは、胃の不調や胃酸過多などが一因です。

胃は食べ物を消化するために強い酸を分泌しますが、過剰に分泌されると胃粘膜が荒れ、胃炎や逆流性食道炎につながります。
このとき胃酸が逆流して口の中に達すると、酸っぱいにおいがすることがあります。

口臭以外にも以下のような症状が見られる場合は、消化器の問題を疑って受診してみましょう。

  • 食後に口から酸っぱいにおいがする
  • 吐き気がある
  • 食欲が減った
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うんちのようなにおいがする場合、まず疑われるのは食糞です。
ただし、腸のトラブルのサインである可能性もあります。

食糞が原因の場合

犬がうんちを食べてしまう食糞の習慣は口臭悪化につながります。
食糞は病気ではありませんが、体のトラブルにつながる可能性があるため、注意が必要です。

食糞はとくに子犬に多い行動で、以下のようなことが原因とされています。

  • 空腹
  • 退屈
  • 消化不良
  • ストレス
  • 母犬の本能的な行動の模倣

そのため、食糞に対しては以下のような対策が有効です。

  • 食後すぐに便を片付ける
  • 食事回数を増やして空腹感を減らす
  • 散歩で運動量を増やす
  • 食事を変える

食糞は成犬でも突然始まることがあるため、食糞の様子が続く場合は一度動物病院に相談して見るのも良いです。

腸のトラブルが原因の場合

腸でトラブルが起こると、口から便のにおいが生じやすくなります。
これは、腸内のガスや内容物のにおいが口から発散されるためです。
食糞や便秘のほか、腸閉塞などの命に関わる深刻な疾患が原因のこともあります。

腸閉塞は、異物の誤食や腫瘍などの物理的な閉塞と、腸が動かなくなってしまう機能的な閉塞に分けられます。
腸閉塞になると、便が正常に移動することができません。
そのため、便の臭いのような口臭になる場合があります。

犬が食糞をしていないのに口から便のようなにおいがする場合や、嘔吐や元気消失など他の症状も伴っている場合などは腸閉塞の可能性が考えられるため注意が必要です。
とくに誤食癖のある犬で口から便のような臭いがする場合は、動物病院を受診しましょう。

犬の口臭に生臭さがある場合は、病気ではなく口の乾燥が原因のことが多いです。

犬は通常、唾液によって口の中の細菌を洗い流し、においの原因物質を抑えています。
しかし、水分不足や開口呼吸の増加によって口の中が乾燥すると唾液の粘度が高くなり、においが凝縮されやすくなります。
この結果、魚のような口臭が発生することがあります。

暑い季節に口呼吸が多かったり、水を飲む量が少ないと口内が乾燥してしまいます。
犬が過ごしている部屋の温度や飲水量が適切かチェックしましょう。

また、老犬は唾液腺の働きが落ちて唾液の分泌が少なくなったり、顎や舌の動きが悪くなり唾液腺への刺激が少なくなるなど口内が乾燥しやすく、口臭が強くなりやすいです。

ただし、魚臭いにおいが慢性的に続く場合は鼻炎など呼吸器トラブルが隠れていることもあります。
鼻炎で鼻が詰まると口呼吸が増えて口が乾燥しやすくなり、生臭いにおいにつながることがあります。

今まで気にならなかった犬の口臭が急に強くなった場合は以下の可能性が考えられ、注意が必要です。

  • 歯周病の急激な悪化
  • 腫瘍や異物などの口腔内トラブル
  • 内臓疾患

通常の歯周病は徐々に進行していきますが、上記のような原因の口臭は比較的短期間で変化することがあります。
以下のような症状が口臭と同時に見られる場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

  • 口の中から血が出ている
  • 片側だけ顔が腫れている
  • 吐いている
  • 食欲が減っている
  • 痩せてきている
  • 水をたくさん飲んでおしっこをたくさんする

口臭の原因が歯周病の場合は、動物病院でのスケーリングすなわち歯石除去が基本的な治療になります。
スケーリングでは今付いている歯石を取り除けますが、時間が経つと再び歯石が付いてしまいます。
スケーリング後は歯がリセットされた状態なので、再び歯石がつかないよう歯磨き習慣をしっかり始めるチャンスです。

とはいえ、自宅でのケアが正しくできているのか心配になることもありますよね。
自宅での正しいデンタルケアについて不安や疑問があれば、当院で開催しているデンタルセミナーをご活用ください。
初めて犬を飼う方から、スケーリングを受けた後の正しいケア方法を知りたいという方まで、どなたでもお気軽にご参加いただけます。

犬の口が臭いのが気になります。年齢のせい?

口臭の原因として、年齢もひとつの要因になり得ます。
ただし、年齢のせいと放置するのは危険です。
年齢とともに歯周病が進行しやすくなることは確かですが、歯以外の病気のサインである可能性もあります。
とくにシニアになると病気になるリスクが高くなるため、気になる場合は動物病院を受診しましょう。

犬の口臭がひどい。歯科処置をしたらよくなる?

歯周病が原因の口臭であれば、スケーリングと適切な処置によって大幅に改善することが多いです。
ただし、その後の日常ケアを続けないと再び歯石がたまり口臭が戻ってしまいます。
スケーリング後は自宅でしっかりデンタルケアを行いましょう。

犬の口臭が気になるが元気も食欲もある。動物病院に行った方がいい?

元気や食欲があっても一度受診をおすすめします。
なんらかの病気が隠れている可能性があるためです。
口臭が急に強くなった場合は内臓疾患が隠れている場合もあるため要注意です。
また、歯周病は進行しても食欲がある犬が多く、元気そうだから大丈夫と油断していると歯周病が進行していきます。

犬の口が臭いのはさまざまな原因が考えられます。
犬でよくみられるのは歯周病です。
歯周病が原因の場合、スケーリングなどで一度綺麗にすれば口臭が改善します。
ただし、その後自宅でのデンタルケアを怠るとまた口臭が戻ってきてしまいます。
スケーリング後もしっかり自宅ケアを行いましょう。
また、口の中のトラブルだけでなく、内臓疾患に伴って口臭が変化する場合もあります。
とくに急に犬の口のにおいが変わったときなどは早めに動物病院に相談しましょう。

大阪市城東区鶴見区の動物病院
城東鶴見どうぶつ病院
森ノ宮みどり動物病院

この記事の監修獣医師
  院長 脇谷俊佑

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
大阪市内動物病院 勤務
城東鶴見どうぶつ病院 開院
近畿動物医療研修センター 画像科研究生
獣医教育・先端技術研究所(IVEAT)腹部超音波検査研修 修了
日本獣医がん学会 所属