犬の歯磨きをしたことない…今からだと遅い?犬の歯磨きをしないと起こること
「子犬のときから歯磨きはしないといけないって知ってたけど、なんとなくそのままになっている」
「犬に歯磨きしようとすると嫌がるので諦めている」
「もう成犬だけど、今から歯磨きをしても意味があるの?」
犬の歯磨きについて上記のような悩みや疑問を抱えている飼い主さまは、実はとても多いのではないでしょうか。
この記事では、歯磨きをしたことがないと起きていること・起きうることを解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の歯磨きの重要性について理解を深めていただければ幸いです。

犬に歯磨きは必要?
犬に歯磨きは必要です。
歯磨きをしないと歯周病が進行していきます。
犬は口腔内の環境から虫歯にはなりにくいですが、歯周病菌が増えやすいです。
歯の周りだけでなく、身体全体にも負担がかかることがあるため、歯磨きはできるだけ早い時期からまめに行いましょう。
犬の歯磨きの頻度について詳しくはこちらをご覧ください。
歯周病とは?
歯周病とは、歯の周りの組織にみられる病変全般のことです。
そのなかでも歯周病は
- 歯肉炎
- 歯周炎
にわけられます。
歯肉炎は、歯肉すなわち歯茎に炎症が起きている状態です。
健康な歯と歯茎の間に歯垢や歯石がたまると起こり、歯茎が腫れたり出血したりします。
この歯肉炎を治療せずに放置すると歯周炎に進行します。
歯周炎は、歯茎だけでなく歯を支える組織や骨まで炎症が進んだ状態のことです。
細菌や毒素などが深部へ侵入していき、歯を支える骨が溶けていくリスクが増えます。
歯周炎まで進行すると治療でも元通りにはなりません。
歯肉炎のときからしっかり対処することが大切ですね。
歯周病が深刻化すると、以下のような症状もみられることがあります。
- 歯ぐきが腫れて膿が出る
- 歯が抜ける
- 歯の根元の骨が溶ける
- 顔の皮膚に穴があく

ほとんどの犬が歯周病
日本では3歳以上の成犬の約80%が歯周病もしくは歯周病予備軍と考えられています。
さらに1歳までの犬の約90%に歯周病が認められるとも言われており、ほとんどの犬が歯周病に罹患していると言えるでしょう。
歯磨きをしないと起こること

歯磨きをしないと起こることとして以下のようなことが考えられます。
- 歯周病が確実に進む
- 口臭・痛みで生活のしつが落ちる
- 心臓病・腎臓病など、全身疾患のリスクにつながる
具体的には何が起こるのか、解説していきます。
歯周病が確実に進む
歯磨きをしていない犬の口の中では、ほぼ確実に歯垢・歯石が蓄積し、歯周病が進んでいきます。
定期的な歯磨きが行われない場合、歯垢が蓄積します。
歯垢が取り除かれないままだと唾液に含まれるミネラル成分によって石灰化し、歯磨きではとれない硬い歯石になって固着してしまいます。
歯石が付着した歯は通常の歯よりも細菌が付着しやすいです。
犬の口臭の原因となるだけでなく、より深刻な歯周病へと進行するリスクとなります。
歯垢が歯石に変化するのはわずか3〜5日です。
歯磨きをしていない期間が長ければ長いほど、歯石は積み重なって落としにくくなっていきます。
歯周病が進行すると、炎症により鼻に影響が及び鼻炎の原因となることもあります。
また、歯根部の炎症や感染が目の下辺りまで広がり、目の下が膿んで顔が腫れているような状態になることも珍しくありません。
目の下が少し腫れるだけのこともありますが、大きく膨らんだり穴が開いて膿が出てくることもあります。

口臭・痛みで生活の質が落ちる
犬の口臭や口の痛みを放置すると生活の質が落ちることにもつながります。
歯周病が進行すると、歯茎に痛みが出るため食欲が落ちたり、硬いものを食べられなくなったりするケースも多いです。
たかが歯周病、と対策をしなければ食事量が減って栄養不足につながる場合もあります。
そうなると、身体全体への悪影響につながるため、デンタルケアはできるだけ早い時期から行いましょう。
また、犬の口臭がひどくなったと感じるのは、歯周病が進行しているサインかもしれません。
歯垢・歯石に含まれる細菌が増殖することで、強い口臭が発生します。
年齢も上がってきたし仕方ないかな、と放置されることも多い歯周病ですが、早めの対処で口臭が改善することもあります。
心臓病・腎臓病など、全身疾患のリスクにつながる
歯磨きをしていないことで最もこわいのは、口の中だけではなく全身への影響です。
歯周病が原因で、以下のようなさまざまな病気につながることも最近の研究でわかってきました。
- 心臓病
- 気管支炎
- 腎炎
歯周病があると、細菌や毒素などが血液を通して全身にまわり、全身にさまざま影響を及ぼします。
歯磨きをしていないということは、口のまわり以外にも悪影響です。
成犬から歯磨きを始めることにも意味はある

成犬・シニア犬でも歯磨きを始めることに意味は十分あります。
何もしないより、少しでもした方が歯周病の進行を抑えることにつながります。
歯磨きに慣れるまで時間はかかるかもしれませんが、愛犬の健康のために今から歯磨きをスタートし、習慣にしていきましょう。
本来は子犬の頃からの歯磨き習慣が理想的ですが、成犬になってからでも遅すぎることはありません。
ただし、ひとつ注意点があります。
すでに歯周病が進行している場合は、歯を磨くと痛がって嫌がることもあります。
歯周病が重度で、抜歯や麻酔下での処置が必要な場合は、先に動物病院で処置してもらった方がよいでしょう。
長期間歯磨きをしていなかった場合、すでにかなりの歯石や歯周病が進行している可能性があります。
そのまま歯ブラシを当てると犬が痛がってさらに歯磨き嫌いになってしまうことも珍しくありません。
まず動物病院で口の状態を確認してもらってから始めるのが、実は一番の近道です。
よくある質問(FAQ)
犬の歯石をとりたい。歯磨きでとれる?
いいえ、基本的に歯石は歯磨きではとれません。
動物病院でスケーリングなどの処置が必要です。
歯磨きはあくまで歯垢の段階で除去するためのもので、すでに歯石になったものには効果がありません。
まず動物病院を受診することをおすすめします。
犬の歯磨きをしたことない。デンタルガムだけあげてればOK?
デンタルガムをあげていても歯磨きはしましょう。
デンタルガムは補助的なアイテムとして有効ですが、歯と歯茎の間の歯垢まで取り除くことはできません。
歯ブラシでのブラッシングが最も効果の高い歯石予防です。
犬の口がくさい。歯磨きしたら良くなる?
歯垢・歯石が原因の口臭であれば、歯磨きで改善が期待できます。
ただし、すでに歯周病が進行している場合は動物病院での治療が先に必要なこともあります。
急に口臭が強くなった場合は早めに受診しましょう。
まとめ
犬の歯磨きは健康維持のために重要です。
歯磨きをしないと歯周病が進行していき、以下のようなことにつながるかもしれません。
- 口がくさくなる
- 食欲不振になる
- 歯茎が腫れる、出血する
- 歯が抜ける
- 目の下が膿む、穴があく
- 心臓病や腎臓病のリスクが上がるなど全身に影響する
できれば子犬の時期からきちんと歯磨きをすることが望ましいですが、成犬になってからでも歯磨きを始めた方が良いです。
ただし、すでに歯周病が進行している場合などは先に動物病院で診てもらってから始めましょう。
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一緒に愛犬の歯の健康を守っていきましょう!

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この記事の監修獣医師
院長 脇谷俊佑

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
大阪市内動物病院 勤務
城東鶴見どうぶつ病院 開院
近畿動物医療研修センター 画像科研究生
獣医教育・先端技術研究所(IVEAT)腹部超音波検査研修 修了
日本獣医がん学会 所属
大阪市城東区鶴見区の動物病院
城東鶴見どうぶつ病院
森ノ宮みどり動物病院



