犬にポカリは飲ませても大丈夫?与えてもOKなケースとNGなケース|与えるときのポイントについて解説

「熱中症っぽいけどポカリを飲ませてもいいの?」
「散歩から帰ってきてぐったりしている。とりあえずポカリを薄めて飲ませた」
「食欲がなくて水も飲まないのでポカリを飲ませてみたい」
上記のように犬にポカリスエットをあげてもいいのか迷ったことがある飼い主さんは多いのではないでしょうか。

今回はポカリを犬に与えてもいい場面・避けるべき場面などについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただきポカリを犬に与えるか悩んでいるときの参考にしてください。

ポカリスエットは人間向けに設計されており、犬にとって過剰になりやすい成分も含まれています。
大塚製薬の公式情報によると、ポカリスエット100mlあたりの塩分量は約0.12g、炭水化物すなわち糖分は6.2gです。
ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどの電解質もバランスよく含まれているのが特徴ですが、これはあくまで汗をかく人間の体液に合わせた設計です。

ポカリは犬に飲ませてもいい場合と、飲ませない方がいい場合があります。
飲ませない方が良い理由は以下のようなものです。

糖分が多い

人間のために作られたポカリスエットは糖分が多く含まれています。
あくまでも熱中症や低血糖症の応急処置として考え、日常的に飲ませないようにしましょう。
習慣的に飲ませると肥満・糖尿病のリスクにつながります。

塩分が多い

ポカリには塩分もしっかり含まれています。
健康な犬が一般的な総合栄養食を食べていれば塩分不足になることはありません。
そのため、ポカリをたくさん飲むと過剰に塩分を摂取することになります
少なくとも日常的にあげ続ける必要性はありません。

さらに、犬は人間のように汗をかきません。
暑い時期でも塩分の消費量が少なければ、摂取する量も少なくて済みます。
つまり犬には人間ほど塩分を積極的に補充する必要がないことがほとんどで、ポカリの塩分濃度は過剰になりやすいです。

緊急時の応急処置として、薄めたポカリを少量与えることはOKです。
与えてもよいと考えられるケースは以下のような場合です。

熱中症の初期症状が疑われるとき

犬に熱中症の症状が見られた場合は、人間用のポカリスエットによる水分補給で一部の症状に改善が見られる場合があります
ただしこれはあくまで病院に連れて行くまでの応急処置です。
ポカリで回復したように見えても、必ず動物病院を受診しましょう。

熱中症について詳しくはこちらをご覧ください。

食欲不振や衰弱で水を飲めないとき

犬が衰弱して食欲不振の場合、ポカリは水分補給の選択肢のひとつになります。
ただしこのような状態はポカリで対処できる問題ではなく、治療が必要な状態であることがほとんどです。
あくまで一時的な水分確保として使うものと考えましょう。

今すぐLINEで予約!

ポカリを与えるときは以下のポイントに気をつけましょう。

  • 糖分・塩分を希釈するために、必ず水で2〜3倍に薄める
  • 冷えているとお腹をこわしやすいため、常温のものか少し温めたものを与える
  • 少量ずつ様子を見ながら与える
  • ポカリだけで解決しようとせず、応急処置後は動物病院で診てもらう

ポカリは与えて良いものと軽く考えて、たくさん飲ませてしまうとかえって体調が悪くなることがあります。
とくに持病のある犬は気をつけましょう。
以下のような場合はポカリを与えない方が良いことが多いです。

腎臓病・腎不全の犬

犬が腎臓病や腎不全のときに糖分や塩分が含まれたポカリを犬に与えることは、さらなる症状の悪化にもつながりかねません。
腎臓が弱っている犬は電解質の排泄が難しく、塩分やカリウムの蓄積などが深刻な問題につながります。
自己判断はせずに、獣医師の相談を仰いでから与えるようにしてください。

心臓病の犬

心臓病の犬にも注意が必要です。
心臓の機能が低下しているのにもかかわらず塩分の多い食生活を続けていると、さらに高血圧が進んでいきます。
高血圧が進むと排出されない水分が体内に溜まり、症状が悪化して最悪死につながる大変危険な状態に繋がります。
心臓病の犬はポカリを与える前に必ず獣医師に確認しましょう。

糖尿病の犬

ポカリは糖尿病の犬にとっても影響が大きいです。
ポカリに含まれる糖分は糖尿病の犬の血糖コントロールに大きな影響を与えます。
薄めても糖分はゼロにならないため、糖尿病の犬には与えない方が良いでしょう。

日常的・習慣的に与えること

犬が毎日ポカリを飲んでいると、通常の水分補給として水を飲まなくなる可能性があります。
また、水を飲める体調なのにポカリスエットを与えると糖分のとりすぎになります。
よく飲んでくれるからという理由で毎日与えることは避けましょう

お友達追加で診察の予約を簡単受付

ポカリは人間用の飲料ですが、ペット用経口補水液はペットの身体に合わせて成分が調整されています。
ペット用経口補水液は犬にとって適切な糖質や電解質バランスになっているため、ポカリを与えるよりも安心です。

緊急時の備えとして、犬用の経口補水液を一本常備しておくことがおすすめです。
人間用ポカリを薄める手間もなく、糖分・塩分の過剰摂取も心配しにくいため、夏場や災害時の備えとしても安心です。
1本自宅にあると、いざというときに落ち着いて対処できて便利です。

水を飲んでいないけど脱水かどうかわからないというとき、自宅でできる簡単なチェック方法があります。

以下のようなサインがあれば、ポカリで様子を見るより先に動物病院に連絡することをおすすめします。

皮膚テントテスト

皮膚のテントテストは動物病院でもよく使われる方法です。
犬の首の後ろや背中の皮膚を軽くつまんで離します。
健康な犬であればすぐに元に戻りますが、脱水が起きていると皮膚がゆっくりとしか戻らずテントを張ったように残ります

口の中の乾き具合

犬の口の中の乾き具合を確認することも脱水を確認するひとつの方法です。
犬の歯茎や口の粘膜を触ってみましょう。
健康な状態であればしっとり湿っています。
ベタベタと粘り気があったり、乾いている場合は脱水のサインです。

子犬がごはんをあまり食べないのでポカリを飲ませても大丈夫?

子犬は低血糖を起こしやすいため、ポカリの糖分が役立つことがあります。
しかし、あくまで一時的な応急処置です。
食欲不振には病気が隠れている可能性が高いため、自己判断でポカリだけで様子を見ず、動物病院を受診して獣医師の診断を仰ぎましょう。

シニア犬の食欲が落ちてきています。水もあまり飲まないのでポカリを飲ませてもいい?

短時間の応急処置としてはOKです。
しかし食欲不振と飲水拒否が同時に起きている状態は何らかの病気のサインである可能性が高いです。
ポカリで様子を見るより、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

夏の散歩後の水分補給に犬にポカリを飲ませてもいい?

飲ませても良いですが、通常の散歩後であれば新鮮な水でも十分です。
ポカリを日常的に使う必要はありません。
大量に汗をかくわけではない犬に塩分・糖分を毎回補充する必要性は低いです。
熱中症気味であればポカリを薄めて飲ませても良いですが、その場合は動物病院にも行くことをおすすめします。

犬にポカリを飲ませるのはOKな場合とNGな場合があります。
熱中症気味なときや、衰弱して水をあまり飲めないときなど、上手に使用すればとても便利なものです。
ポカリを犬にあげる時は薄めて使用し、日常的に使用することは控えましょう
また、腎臓病や心臓病の犬など持病がある犬は注意が必要です。
どうしても与えたい場合はまず動物病院に確認しましょう。
ポカリは人間用の飲料ですが、ペット向けの経口補水液もあります。
夏場や災害などの緊急時用に1本備蓄しておくと安心です。

大阪市城東区鶴見区の動物病院
城東鶴見どうぶつ病院
森ノ宮みどり動物病院

この記事の監修獣医師
  院長 脇谷俊佑

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
大阪市内動物病院 勤務
城東鶴見どうぶつ病院 開院
近畿動物医療研修センター 画像科研究生
獣医教育・先端技術研究所(IVEAT)腹部超音波検査研修 修了
日本獣医がん学会 所属