犬にオロナインは使ってもいい?使う時の順序・使わない方がいいケースについて解説
「犬に小さな切り傷がある。とりあえずオロナイン塗っておけばいいかな?」
「他の犬に噛まれて小さな傷ができたときにオロナインは使っていい?」
「皮膚が赤くなってる気がする。オロナインで治る?」
上記のようなとき、犬にオロナインを使っていいのか気になる方は多いのではないでしょうか?
今回は犬にオロナインを使ってもいいのかについて解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、犬に気になる症状がみられたときの参考にしてください。
オロナインの成分と犬の皮膚の特徴

犬にオロナインを使う前に、オロナインの成分や、犬の皮膚は人とは違うということについて知っておく必要があります。
オロナインの成分
オロナイン軟膏の主成分は、クロルヘキシジングルコン酸塩という消毒成分です。
この成分は、実は犬の皮膚の細菌感染治療にも使われる成分で、一定の抗菌効果があります。
犬の皮膚の特徴
犬の皮膚の構造は人間とは大きく異なります。
犬の表皮の厚さはヒトの約1/3程度とされています。
表皮が薄いということは、それだけ外部からの刺激に弱くデリケートということです。
そのため、人間の皮膚を基準に設計された薬は、犬の薄い皮膚にとっては刺激が強い可能性があります。
長期間の連続使用は避け、あくまで一時的な応急処置として使うものと考えておきましょう。
また、犬は以下のようなこともあるため使用時は注意が必要です。
- 犬は毛が多いためオロナインを直接皮膚に塗りにくい
- 犬はオロナインを塗っても舐めてしまうことが多い
犬にオロナインを使ってもよい場面・避けたほうがいい場面
オロナインを犬に対して活用できるのは、表面だけの浅い擦り傷に一時的に使う場合です。
ただし、「オロナインを塗ったからもう大丈夫」と油断はできません。
傷口が治るまでは毎日傷口のチェックをするのがおすすめです。
散歩中にこすれてできた軽い傷など、明らかに浅く出血もほぼない状態であれば、流水で洗浄した後に一時的に塗ることは大きな問題になりにくいです。
ただし、以下のような場合はオロナインでの対処は避けましょう。
- 他の犬に噛まれた傷:見た目では傷が小さくても深部まで達していることが多く、表面だけ消毒しても意味がありません
- 深い傷・出血が続く傷:動物病院での処置が必要な場合が多いです
- 皮膚炎・かゆみ・赤み:原因が細菌・カビ・アレルギーなどさまざまで、オロナインでは改善しにくいです
また、長期間・繰り返しの使用も控えた方がいいです。
犬がオロナインを舐め続けることによるリスクや、皮膚への刺激が積み重なります。

噛まれた傷や深い傷は表面だけで判断しない
他の犬に噛まれた傷などは、表面上は小さい傷に見えても深部まで達していることがあります。
犬は毛に覆われているため、噛み傷などの小さな傷でも深部の状態が確認しにくいです。
まずは本当に浅い傷なのかを毛をかき分けたり剃ったりして、よく確認しましょう。
また、噛まれた傷や深い傷の場合は、オロナインを塗っても表面しか消毒できず意味がありません。
オロナインを塗らずに動物病院で診てもらいましょう。
噛み傷や深い傷以外にも、以下のような場合は動物病院での処置が必要なことがあります。
- 出血している
- 傷のまわりに赤みが広がっている
- 腫れている
- 傷口からにおいがする
- 犬が気にして舐め続ける
皮膚炎・かゆみにはオロナインは不向き

以下のような皮膚症状にはオロナインは向きません。
- 皮膚が赤い
- 皮膚に湿疹がある
- 皮膚が痒そう
- 毛が抜けている
オロナインの主成分は消毒成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩です。
ニキビや切り傷などの消毒には良いですが、人の湿疹や皮膚炎などには使用しない方がよいとされています。
犬でも同じく皮膚炎には使用しない方が無難です。
犬の皮膚炎の原因は非常に多様で、それぞれ治療法がまったく異なります。
オロナインを塗り続けて症状が一時的に落ち着いたように見えても、根本原因が残ったまま悪化することがあります。
皮膚症状が数日続く場合は、原因を特定するためにも動物病院を受診してください。
もし犬に傷を見つけたら?

もし犬に傷を見つけたらまず水で洗い、その後の経過に応じて動物病院へ相談しましょう。
傷の状態にもよりますが浅い擦り傷などであれば、以下のような手順でオロナインの使用を検討しても良いです。
①まず流水で傷口を洗い流す
消毒液より先に、まずはきれいな流水で傷口を洗い流しましょう。
消毒液は正常な細胞の働きも弱めてしまう可能性があり、まずは流水で細菌や異物を物理的にしっかり洗い流すことが重要です。
ゴシゴシこすらず、やさしく水を当てるように洗う方法がおすすめです。
② 出血があれば清潔なガーゼで圧迫止血する
出血している場合は、清潔なガーゼやタオルで傷口を2分程度強めに押さえ、圧迫止血を行いましょう。
ただし、長時間の止血は血流障害を招くため、包帯の巻きっぱなしはNGです。
③ 浅い擦り傷であればオロナインを一時的に使ってもOK
洗浄・止血ができた後、表面の浅い傷であれば一時的に保護するように薄く塗りましょう。
ただし、オロナインを塗る場合はエリザベスカラーを使用することがおすすめです。
犬は塗り薬を舐めてしまうことが多く、塗った意味がなくなってしまううえに、舐め続けると犬の身体の負担になることもあります。
そもそも傷口を舐められないという意味でもエリザベスカラーは有用です。
④ 傷口の状態は毎日確認し、心配なら動物病院へ
上記のような応急処置はあくまで一時的なものです。
傷ができた原因がケガではなく皮膚病や感染症だった場合は、様子を見るだけでは根本的な治療にならず、長引いたり悪化してしまいます。
症状が続いたり、悪化したりする場合は早めに獣医師に相談することがおすすめです。
ただし、以下の状態のときは迷わずすぐに動物病院へ連絡しましょう。
- 出血がなかなか止まらない
- 傷が深い、または大きい
- 他の犬に噛まれた
- 元気がない、ぐったりしている
- 数日経っても赤みや腫れが引かない・広がっている
よくある質問(FAQ)
犬の耳が外耳炎っぽいのでオロナインを塗っていい?
耳への使用は避けてください。
オロナインに配合されているクロルヘキシジングルコン酸塩は耳への使用が禁止されている成分です。
外耳炎が疑われる場合は、動物病院で専用の点耳薬を処方してもらってください。
犬の目の周りが赤い、ただれているときなどにオロナインは使えますか?
目の周りへの使用はやめましょう。
目や目の周辺の粘膜は皮膚よりはるかにデリケートで、オロナインの成分が入ると刺激が強すぎます。
目の周りの赤みやただれはアレルギー・逆さまつげ・眼科疾患など様々な原因が考えられます。
はやめに動物病院を受診して原因を調べてもらいましょう。
犬の指の間が赤くなってしょっちゅう舐めている。オロナイン塗っとけば良くなる?
指の間の炎症である指間炎へのオロナインの使用は効果が期待しにくく、むしろ逆効果になることがあります。
オロナインでごまかすよりも動物病院で治療した方が早く治る可能性が高いです。
指間炎の原因は様々で、原因に合った治療が必要になるため、はやめの受診をおすすめします。
まとめ
犬へのオロナインの使用は、軽い傷程度であれば使っても良いです。
ただし、使う前に傷口を洗ったりしてから使用するようにしましょう。
深い傷やアレルギーなどが原因の皮膚炎の場合など、オロナインを使用しない方がいいケースもあります。
オロナインを使ったとしても、しばらくは頻繁に傷口をチェックしましょう。
心配であれば一度動物病院にみせることがおすすめです。
犬の皮膚に気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。


大阪市城東区鶴見区の動物病院
城東鶴見どうぶつ病院
森ノ宮みどり動物病院
この記事の監修獣医師
院長 脇谷俊佑

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業
大阪市内動物病院 勤務
城東鶴見どうぶつ病院 開院
近畿動物医療研修センター 画像科研究生
獣医教育・先端技術研究所(IVEAT)腹部超音波検査研修 修了
日本獣医がん学会 所属



