犬がケンケンしているのはなぜ?前足と後ろ足で考えられる原因について解説

「犬が前足をケンケンして歩くのはなぜ?」
「後ろ足をケンケンしているけど病気?」
「犬がケンケンしていたら動物病院に行った方がいい?」
上記のように犬が足をかばう歩き方をしていたら心配になりますよね。

今回は犬がケンケンをして歩くときに考えられる原因について解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、犬の歩き方に違和感があるときの参考にしてください。

帽子をかぶって散歩中のトイプードル

愛犬のケンケンに気づいたら、まずはどの足をあげているかを確認しましょう。

犬が足を地面に着くことを避けているのは、痛みや違和感があるためと考えられます。
そのため、あげている足に外傷が見当たらない場合でも、関節炎や脱臼などが隠れている可能性があります。

前足と後ろ足のケンケンでは、関係する関節・疾患がほぼ別物です。
ケンケンしているのが前足か後ろ足かということを見てみましょう。

どの足がケンケンしているのかにあわせて、以下のことも見ておくことがおすすめです。

  • ケンケンは常にしているのか・たまにしかしないのかという頻度
  • 散歩中にあげるのか、何もしていないのにあげるのかなどの状況

これらのことも受診時に獣医師が診断を進めるうえで非常に重要な情報になります。

後ろ足のケンケンから疑われる代表的な病気は以下の通りです。

① パテラ(膝蓋骨脱臼)

パテラは膝のお皿である膝蓋骨が正常な位置からずれてしまう病気で、正しくは膝蓋骨脱臼と言います。
パテラでよくみられるのは以下のような症状です。

  • 後ろ足をたまにあげる
  • ケンケンはするけど痛がりはしない
  • 歩いている途中でケンケンになる

とくに以下のような小型犬に多く見られます

  • チワワ
  • トイプードル
  • ポメラニアン

パテラに特徴的なケンケンは、ケンケンしたあと、自然に戻るというパターンです。
ずれた膝蓋骨が自然に元の位置に戻ることで、症状がおさまったように見えます。
ケンケンがおさまることから油断してしまいがちですが、これを繰り返すことで関節炎や骨変形に進行していくため、放置は禁物です。

パテラについてはこちらをご覧ください。

② 前十字靭帯断裂

後ろ足を突然あげて、そのまま地面につかなくなった場合は前十字靭帯の断裂が疑われます。
前十字靭帯断裂の症状としては、以下のようなものがあります。

  • 痛みでキャンと鳴く
  • 足をあげて歩く
  • 足を地面につけたがらない
  • ケンケンのような歩き方をする

パテラがたまにケンケンするのに比べて、前十字靭帯断裂の場合は急に常時ケンケンの症状がみられるのが特徴です。

散歩中に急に鳴いてそのまま足をつかなくなった、という症状があれば前十字靭帯断裂の可能性があります。
早めに動物病院を受診しましょう。

前十字靭帯断裂についてはこちらをご覧ください。

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③ 股関節疾患(股関節形成不全・レッグ・ペルテスなど)

後ろ足全体をかばうような歩き方・左右の筋肉量に差がある場合は、股関節が原因のことがあります。
股関節疾患として多いのが、股関節形成不全レッグ・カルベ・ペルテス病です。

股関節形成不全は大型犬に多く、股関節の発育異常によって慢性的な痛みが生じます。
一方、レッグ・ペルテスは小型犬の若齢期に大腿骨頭が壊死する病気で、徐々に後ろ足を上げるようになっていくのが特徴です。
どちらも急に発症するよりも、じわじわと症状が悪化していくケースが多いです。

レッグペルテスについてはこちらをご覧ください。

勢いよく走っているゴールデンレトリーバー

前足のケンケンから疑われる代表的な病気は以下の通りです。

① 骨折・捻挫

急に前足を上げてケンケンし始めた場合、骨折や捻挫などの外傷が疑われます。
骨折や捻挫は以下のようなシチュエーションで起こることがあるため、注意が必要です。

  • 散歩中の転倒
  • ジャンプ着地の失敗
  • 高いところからの落下

骨折の場合は足をつかずに動くほか、触れると強い痛みを感じます。

② 肘関節形成不全

成長期の大型犬で前足のケンケンが続く場合、肘関節の形成不全が原因のことがあります。
肘関節形成不全とは、成長期の子犬に多くみられる、肘関節の発育異常により痛みが生じる病気の総称です。
大型犬や超大型犬に多く見られ、前足をケンケンさせる原因となります。

③ 皮膚トラブル

前足をケンケンするだけでなく、繰り返し舐めたりもしている場合、足の皮膚トラブルが原因のことがあります。

アレルギーや皮膚炎が原因で肉球や指の間などに炎症が起きると、痛みやかゆみからケンケンするようになります。
この場合、以下のようなことがみられないかみてみましょう。

  • かゆみがある
  • 赤みがある
  • 腫れている
  • 足を頻繁に舐める

また、以下のような外傷による足先のトラブルでケンケンをすることもあります。

  • 肉球や指の間に棘が刺さっている
  • やけどをしている
  • 巻き爪が肉球に刺さっている

骨や関節などの整形外科疾患や、皮膚トラブル以外で考えられるのが神経疾患です。
神経疾患の場合は、足をあげられずに引きずるという症状が基本です。
しかし、実際には足を引きずっていても、犬が足をケンケンしていると言って来院する方もいます。

神経疾患のなかでも、歩き方が変というケースによくみられる椎間板ヘルニアによる症状は以下のようなものがあります。

  • 足を引きずるようにして歩く
  • 足に力が入らない
  • 足が滑って立ち上がれない
  • ふらつく
  • 左右どちらの足にも症状が出ている

上記の症状のようにケンケンというよりも、よろけたり足をあげられない場合は神経疾患が疑われます

椎間板ヘルニアについてはこちらをご覧ください。


また、上記にあげた代表的な病気以外にも、ケンケンの原因になる病気はさまざまです。
気になる症状があるときは一度動物病院でみてもらいましょう。

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犬がケンケンするという症状があっても、元気で痛がる様子もないからと言って、放っておくのはおすすめできません
犬がケンケンして歩くのには何か理由が隠れていることがあります。

同じ姿勢をずっとしていたあとなどに足がしびれて足をあげるなど、一時的な症状であればとくに問題はないことがほとんどです。
しかし、足をあげる状態が続いたり、何度も繰り返したりするようであれば、病気の可能性があります。
気になる症状が続く場合は早めに動物病院を受診しましょう。

とくに、パテラなどはケンケンするものの痛みはなかったり、ケンケンしてもすぐ戻るという状態で長期間進行することがあります。
症状が出る時間が短いからと言って、放っておかないようにしましょう
パテラによるケンケンを繰り返すたびに関節のダメージが蓄積し、症状が悪化することも珍しくありません

犬に以下のような症状がみられる場合は動物病院を受診しましょう。

  • 急にケンケンし始め、足を地面にまったく着かない
  • 触ると痛がる・キャンと鳴く
  • 足が明らかに変形している・腫れている
  • ケンケンが数日以上続いている・悪化している
  • 痛がらないがたまにケンケンを起こしている

一方、散歩直後に一時的に足を上げただけの場合などはまず自宅で様子をみることも選択肢です。
しかし症状が翌日以降も続く場合は受診を検討しましょう。

犬が足をケンケンしてるけどすぐに戻る。痛がってはいないけど動物病院に行った方がいい?

一度動物病院に行った方がいいです。
痛がっていなくても、パテラなどの病気が隠れている場合があります。
放っておくと関節炎や前十字靭帯断裂などにつながって症状が悪化することがあります。

子犬が足をケンケンして歩く。なんの病気?

犬種によってよくある病気は異なるので一概には言えませんが、たまに後ろ足をケンケンしてすぐに戻るのであればパテラ、すなわち膝蓋骨脱臼などの可能性があります。
また、ずっとケンケンして痛がっているようであれば骨折の可能性も考えられます。
子犬のケンケンは成長のせいだからと放置せず、一度動物病院で診てもらいましょう。

犬がケンケンしているけど散歩に行ってもいい?

散歩は短時間にとどめ、早めに動物病院を受診しましょう。
また、原因が判明するまでは激しい運動は控えた方がいいです。
足に痛みや異常がある状態で無理に歩かせると、症状が悪化したり怪我が重症化したりすることがあります。

犬がケンケンしているときは後ろ足と前足で原因が異なります。
以下のことを確認して動物病院に行きましょう。

  • どの足をケンケンしているのか
  • 症状はたまに出るのか・常に出ているのか
  • ケンケンはどのくらい続いているのか
  • 痛みはありそうか
  • 悪化していないか

犬がケンケンしているときは手術が必要な場合もあります。
犬の足に気になる症状がみられたら一度動物病院へ相談しましょう。

大阪市城東区鶴見区の動物病院
城東鶴見どうぶつ病院
森ノ宮みどり動物病院

この記事の監修獣医師
  脇谷 知明

脇谷知明獣医師

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業東京都内動物病院 勤務
麻布大学付属動物病院 整形外科専科研修医(2022〜)
日本獣医麻酔外科学会所属
Fracture Repair on Toy-Small Breeds Course 修了(2023)
AO Vet Course - Principles of Small Animal Fracture Management 修了(2024)
Depuy Synthes TPLO SEMINAR 修了(2024)
膝蓋骨内方脱臼に対する関節再建ドライラボ 修了(2024