ポメラニアンはパテラになりやすい?パテラを放置することで起こり得る病気とは

「うちのポメラニアンがたまに足をケンケンするのはなんで?」
「ポメラニアンはパテラになりやすいって聞いたけど本当?」
「パテラだったら放っておいても大丈夫?」
ポメラニアンの飼い主さまでこのような心配を抱える方は多いのではないでしょうか。
今回はポメラニアンのパテラと、よくみる併発疾患について解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、ポメラニアンの足になにか異常がみられたときの参考にしてください。

草むらで走るポメラニアン

パテラとは膝のお皿が脱臼してしまう病気(膝蓋骨脱臼)です。
4段階のグレードに分類できて、1から4に上がるにつれて重症度は上がります。
ポメラニアンはトイプードルやチワワと並んでパテラの好発犬種です。
ポメラニアンのうち、約30〜75%ほどがパテラであるという研究があるほど、ポメラニアンはパテラになりやすいです。

パテラの原因とは

パテラの原因は明確にわかってはいません
ただ、パテラのうち8割が先天性だったという報告があります。
上記のような、パテラが遺伝と関係しているという報告は多くありますが、他にも環境要因などが関係していることも示唆されています。

パテラの症状

パテラの症状として見つけやすいのが、足を挙げたりスキップをするような症状です。
症状は散歩中や朝起きたときなどに出ることが多いです。
ただし、足を挙げるという症状は別の病気でもみられることがあります。
パテラが原因の症状なのか、動物病院での触診やレントゲンなどで検査してもらうことがおすすめです。
また、パテラのグレードが低い場合は症状が出ないこともあります。
無症状で、健康診断のときなどにパテラが偶発的に見つかることも多いです。
その時点では明らかな症状がなく犬が若いうちだったとしても、徐々に症状が悪化することもあります

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パテラの治療法

パテラには保存療法と外科療法の選択肢があります。
保存療法はサプリメントや薬などを活用しながら、手術をせずにパテラと付き合っていく治療です。
外科療法は手術によって物理的に脱臼しにくい膝にする治療です。
どちらが選択されるかは、犬の状態やパテラの程度などをみながら判断されます。
チワワを例にした記事ですがパテラの治療法は共通しているため、詳しくは以下の記事をご覧ください。

寝そべるポメラニアン

パテラの症状がなかったり軽い場合は、様子をみてしまうこともあるかもしれません。
しかし、パテラを放っておくことで別の関節疾患になるリスクがあることを知っておきましょう。
とくに気をつけたいのは、中高齢以降で急に症状がみられた場合です。
パテラのある犬では、幼少期から無症状で経過していても、中高齢になってから急に症状が出てくることがあります。
この場合の原因として、パテラが悪化していること以外に、別の併発疾患の可能性も挙げられます。
「いつものパテラでしょ」と自己判断してしまうと、併発疾患が見つかるのが遅れてしまうかもしれません。
もともとパテラがある場合でも、足を挙げる頻度が増えた場合や痛みを伴っている場合などは注意が必要です。
以下のような病気を併発している可能性があるため気をつけて観察してみましょう。

変形性関節症(関節炎)

変形性関節症は、パテラの慢性化に伴って高確率で発症します。
膝のお皿の脱臼が何度も繰り返されることで、関節軟骨が徐々に摩耗していき、関節内で炎症が進行していく病気です。
パテラがある犬のうち、約63%で変形性関節症に繋がる病変があるという報告があります。

前十字靭帯断裂

前十字靭帯は膝の関節のなかにある靱帯です。
膝のお皿が脱臼することで、前十字靭帯に負担がかかり断裂することがあります
前十字靭帯が断裂すると、膝の安定性が失われ体重をかけることを嫌がる犬が多いです。
パテラをもつ小型犬のうち、約20〜40%が前十字靭帯断裂を併発していたという報告があります。
治療は基本的に手術となり、パテラの手術と一緒に行うこともあります。

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パテラになる原因が明確にわかっていないため、パテラになること自体を予防できる方法はありません
ただし、パテラによる症状の進行や併発疾患の発症をある程度軽減できる可能性はあります。
パテラの進行・併発疾患に繋げないようにするには、関節に過度な負荷をかけないことが大切です。
具体的には以下のような対策がポイントになります。

  • 体重管理
  • 生活環境の見直し
  • 適度な運動

チワワが例の記事ですが、パテラになったら気をつけたいことは共通しているので、詳しくは以下の記事をご覧ください。

飼っているポメラニアンがパテラと診断された。元気そうなので治療しなくて大丈夫?

大丈夫とは言い切れません。
パテラは自然治癒するものではありません。
出ていた症状が出なくなったとしても、パテラが慢性化したことで症状がおさまっただけの可能性があります。
パテラを放置することは、関節炎の進行や前十字靭帯断裂のリスクに繋がります。
動物病院と相談し、必要であれば治療を行うことをおすすめします。

ポメラニアンが足をあげることが増えた。もともとあったパテラが悪化した?

原因がパテラの可能性もありますが、別に原因があることもあります。
考えられる原因は、パテラによる関節炎の進行や、前十字靭帯の断裂による痛み、一時的な捻挫など多岐に渡ります。
気になる症状がみられた場合は動物病院でみてもらいましょう。
その場合はポメラニアンの歩き方で気になるところなど、動画を見せると診察に役立つでしょう。

パテラは手術しても再発する?

パテラを手術で治療しても再発のリスクはあります。
手術後の再発率は、パテラの重症度や術後のケアなどによって変わります。
術後の生活や体重管理など、動物病院からの指示を守りましょう。

ポメラニアンはパテラになりやすい犬種のひとつです。
最初は明らかな症状がなかったとしても、徐々に症状が悪化することもあります。
また、もともとパテラと診断されていても、足を挙げる頻度が増えたり痛がっているときは、注意が必要です。
他の関節疾患を併発している可能性があります。
症状が軽いからと言って、パテラを放置するとパテラの悪化や併発疾患の発生に繋がることがあります。
足を挙げる・痛がるような仕草が増えたときは一度動物病院で診てもらいましょう
ポメラニアンのパテラや足の症状でお悩みの際はお気軽にご相談ください。

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森ノ宮みどり動物病院

この記事の監修獣医師
  脇谷 知明

脇谷知明獣医師

麻布大学獣医学部獣医学科 卒業東京都内動物病院 勤務
麻布大学付属動物病院 整形外科専科研修医(2022〜)
日本獣医麻酔外科学会所属
Fracture Repair on Toy-Small Breeds Course 修了(2023)
AO Vet Course - Principles of Small Animal Fracture Management 修了(2024)
Depuy Synthes TPLO SEMINAR 修了(2024)
膝蓋骨内方脱臼に対する関節再建ドライラボ 修了(2024